FF14 暁月のフィナーレ「カイロスで記憶を消されなかったヴェーネスはなぜエメト等に真実を伝えなかったのか」

※この記事は暁月全てのネタバレ満載です。

※クリアしてない人は見ないでね。

※これは考察記事で決して正しいとは限らないよ













FF14暁月のフィナーレの感想にて、こんなコメントを見かけた

カイロスで記憶を消されなかったヴェーネスはなぜエメト等に真実を伝えなかったのか」

確かにヴェーネスはカイロスの記憶上書きから逃れており、終末・メーティオンの真実を伝えようと思えば可能であったはずだ。

その上で対策は立てられなかったのか?という疑問であると思う。



これにはいくつか理由があると考えられるが、最も重要なのは「歴史を繋げる必要があった」からだと考える。

水晶公の例を思い出してほしい。

水晶公は第八霊災が起きた未来から時間を越えて過去に渡り、第八霊災を未然に防いだ。

が、「第八霊災が起きた未来を救えるわけではない」と水晶公本人含め、作中何度も語られる。

自分たちの未来ではなく、「主人公が生きた未来」を繋ぐためにシド等ガーランド・アイアンワークスを筆頭とした技術者たちがラハを過去に送り込んだのである。

ではなぜ、「第八霊災が起きた未来」は救えなかったのか。

簡単に言ってしまえば、世界が分岐しているからである。


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こんな感じ

第八霊災が起きた未来と防いだ未来は繋がっていないのである。

第八霊災を防いだ未来が生まれるだけで、起きた未来がなかったことにはならない。





話をエルピスに戻す。

もしヴェーネスがエメト等に真実を話せば、歴史上に「終末の原因を知ったエメト等」という存在が生まれる。

だが、漆黒で主人公が戦って勝ったエメトは終末の原因を知らない。(主人公とエルピスで会っていないor会った記憶がない)

つまり、タイムパラドックス的に世界の分岐が発生してしまうのである。

「終末の原因を知らないエメト」と戦った主人公がエルピスに来たのに、エルピスに来たせいでエメトが終末の原因を知るというパラドックス

しかも、分岐の先の未来では主人公がいるかどうかも分からず、「主人公がエルピスに来る」という大前提すら崩壊しかねない。

終末とその原因を知ったエメトやヒュトロ、ヘルメスがゾディアーク以外の解決策を思いついたらどうなるだろうか。

当然ゾディアークの枷たるハイデリンも生まれず、ハイデリンキックで生命と世界も分割されない。

つまりアゼムの分割体である主人公もまた生まれないのである。

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上記のようなパラドックスを起こさないために、ヴェーネスは「自分がこれから歩む歴史」と、「主人公がエルピスに来る未来」を繋げる必要があったのである。

主人公にエルピスで聞いた通りに、エメトには終末の原因を忘れたまま未来で主人公と殺し合ってもらう必要があるし、自分もまたゾディアークの誕生を見届けた後にハイデリンの核になって世界を分割しなければならない。

そうしなければ未来が繋がらない。

全てを知っているのに、それをあたかも知らないように振る舞い、終末を迎えなければならないヴェーネスの心境は如何許りか。

さらに、ハイデリンとなったあとも今度は「終末を知った主人公をエルピスにいる過去の自分の元へ送り込む」という最重要ミッションが残っているのである。(エルピスの花を標にしろと言ったのはそのため)

さらにさらに、選択を間違えればそれだけで世界が分岐するという地雷付き。

主人公が歩んできた未来のハイデリン(自分)はこうしただろう、という推察のみを頼りに地雷原の中を歩むように歴史を刻んでいかなければならない。

そうして1万2千年間ハイデリンたるヴェーネスは進んできた。

その果てに、再び主人公と邂逅する。

ここまでの話を全て踏まえた上で、以下の台詞を見てほしい。

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ヴェーネスにしてみれば、エルピスで主人公に出会ったあの日から、約1万2千年の間の自分の行動が全て正しかったと証明されたのである。

話が散らかったが、最初の「カイロスで記憶を消されなかったヴェーネスはなぜエメト等に真実を伝えなかったのか」という問いへの回答は、「歴史を繋げるため」になるだろう。


なおメーティオンとの決戦前に、記憶を取り戻した「主人公と殺し合ったエメト」が出てくる。

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(「覚えていろ」とは、漆黒ラストでのエメトのセリフ。「ならば、覚えていろ。 私たちは……確かに生きていたんだ。」

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(「こいつに負けた」と言ってるので、これは漆黒で戦ったエメトで間違いない)

以上のセリフから、漆黒で戦い、なおかつエルピスでの記憶も取り戻したエメトであると分かる。
これはパラドックス的には問題ないのか?

結論から言えば問題ない。

主人公がエルピスに行った時点でパラドックスは解消し、その先は新たな歴史を刻んでいるからである。